親が亡くなったあと、相続手続きは短期間に多くのことを進める必要があります。戸籍の収集、財産調査、遺産分割協議、相続税の確認、不動産の名義変更など、やるべきことは少なくありません。介護中から情報を整理しておくと、負担を減らせます。
最初に確認したい相続人と財産
相続手続きでは、まず誰が相続人になるのかを確認します。亡くなった人の出生から死亡までの戸籍や、相続人の戸籍を集めて、法律上の相続人を確定していきます。
同時に、どのような財産があるかも調べます。預金、不動産、有価証券、生命保険、車、貴金属、借入れ、未払いの医療費や税金など、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も確認が必要です。
介護中に情報を把握しておくと楽になる
親の通帳、保険証券、不動産の権利関係、年金関係書類、借入れの有無を何も知らないまま相続を迎えると、調査に時間がかかります。
介護中に「どの銀行を使っているか」「不動産はどこにあるか」「保険に入っているか」「重要書類はどこに保管しているか」を確認しておくと、相続後の作業が進めやすくなります。
期限がある主な手続き
相続では、期限がある手続きがあります。すべての家庭で必要になるわけではありませんが、該当する場合に放置すると不利益が出ることがあります。
相続放棄は3か月以内が目安
借金が多い場合や、財産状況が分からない場合には、相続放棄を検討することがあります。相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
借金の有無が分からないまま時間が過ぎると、判断が難しくなります。不安がある場合は早めに専門家へ相談しましょう。
準確定申告は4か月以内
亡くなった人に確定申告が必要な所得があった場合、相続人が準確定申告を行うことがあります。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
個人事業主、不動産所得がある人、年金以外の収入がある人などは確認が必要です。
相続税の申告は10か月以内
相続税の申告が必要な場合、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。すべての相続で相続税がかかるわけではありませんが、預金や不動産が多い場合は早めに確認しましょう。
相続税の申告では、財産評価や遺産分割の状況も関係します。期限直前に慌てないためにも、財産調査は早めに始める必要があります。
相続登記は3年以内の申請が必要
不動産を相続した場合、相続によって所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請が必要です。実家や土地をそのままにしている家庭では、手続きが後回しになりやすいため注意しましょう。
遺産分割協議で決めること
遺言がない場合や、遺言に記載されていない財産がある場合、相続人同士で財産の分け方を話し合うことがあります。これが遺産分割協議です。
預金をどう分けるか、不動産を誰が取得するか、売却するか、介護費用の立替分をどう扱うかなどを話し合います。合意した内容は、遺産分割協議書として書面に残すのが一般的です。
介護費用の記録があると説明しやすい
親の介護をしていた人が費用を立て替えていた場合、遺産分割協議でその扱いを話し合うことがあります。領収書や振込履歴、介護の記録が残っていれば、ほかの相続人に説明しやすくなります。
記録がないと、「本当に親のための支出だったのか」と疑われることがあります。介護中からの準備が相続手続きの負担を軽くします。
必要書類は早めに集める
相続手続きでは、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、固定資産税評価証明書、通帳、残高証明書、不動産の登記事項証明書、保険関係書類などが必要になることがあります。
手続き先によって必要書類は異なりますが、戸籍や財産資料の収集には時間がかかります。遠方の役所に請求する必要がある場合もあるため、早めに動くことが大切です。
相続手続きは、亡くなってから調べ始めると負担が大きくなります。介護中から親の財産や書類の場所を把握し、親族間で情報を共有しておくことで、相続時の混乱を減らせます。





