預金が100万円以上あると、ひとまず安心感があります。急な出費があっても、すぐに生活が崩れるわけではないからです。
ただし、銀行口座に置いているだけで本当に安心なのかと考える人も増えています。物価が上がるなかで、同じ100万円でも買えるものが少しずつ変わっていくからです。
そこで知っておきたいのが、新NISAを使ったお金の置き方です。この記事では、預金100万円以上ある人が、預金を守りながら新NISAをどう考えればよいのかを初心者向けに整理します。
預金100万円は安心材料。ただし全部を置きっぱなしにする必要はない
まず大切なのは、預金を否定しないことです。預金は、急な病気、家電の故障、冠婚葬祭、失業時の生活費などに備えるために必要なお金です。
そのため、100万円あるからといって、すぐに投資へ回す必要はありません。むしろ、生活に必要なお金まで投資してしまうと、値下がりしたタイミングで売らざるを得なくなる可能性があります。
考え方としては、100万円をひとつのかたまりで見るのではなく、役割ごとに分けて考えることが重要です。
| お金の種類 | 役割 | 置き場所の考え方 |
|---|---|---|
| すぐ使うお金 | 生活費や支払い | 普通預金などで確保 |
| 急な出費に備えるお金 | 医療費・修理費・予備費 | すぐ引き出せる形で保管 |
| しばらく使わないお金 | 将来のための資金 | 新NISAなどの活用を検討 |
新NISAは「余裕資金の置き先」を考える制度
新NISAは、株式や投資信託などの運用益が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益は非課税になります。
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。つみたて投資枠は、長期の積立投資に向いた一定の投資信託を中心に利用する枠です。一方、成長投資枠では、投資信託だけでなく、上場株式やETFなども選択肢になります。
つまり、預金100万円以上ある人にとって新NISAは、「預金をすべて投資する制度」ではありません。しばらく使わないお金の一部を、将来のために置き直す選択肢と考えると分かりやすいでしょう。
成長投資枠は選択肢が広いぶん、考え方が大切
成長投資枠の特徴は、選べる商品の幅が広いことです。投資信託、ETF、REIT、国内株式、外国株式など、証券会社によって取り扱いは異なりますが、つみたて投資枠よりも自由度があります。
自由度が高いということは、自分に合わない商品を選んでしまう可能性もあるということです。高配当という言葉だけで株を買ったり、SNSで話題の銘柄をそのまま買ったりすると、思わぬ値下がりに直面することがあります。
預金100万円以上ある人が成長投資枠を使うなら、まずは「増やしたい」よりも「無理なく続けられるか」を考えることが大切です。
100万円を一度に投資する必要はない
預金100万円と聞くと、「100万円をまとめて投資するのか」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、新NISAは一括投資だけの制度ではありません。
たとえば、まずは月1万円や月3万円など、生活に負担のない金額から始めることもできます。まとまった金額を入れる場合でも、数回に分けて投資する方法があります。
投資で大切なのは、相場が下がったときに慌ててやめないことです。そのためには、最初から大きく入れすぎないことも立派な判断です。
預金100万円以上ある人が避けたい失敗
新NISAは便利な制度ですが、使い方を間違えると不安が大きくなります。特に避けたいのは、次のような行動です。
- 生活費まで投資に回してしまう
- 短期間で大きく増やそうとする
- 高配当や優待だけを見て株を選ぶ
- 値下がりしたときの対応を考えずに買う
- 人のおすすめだけで商品を選ぶ
新NISAは、短期で儲けるための制度ではなく、長く資産形成を続けるための制度です。焦って使い切るより、自分の生活に合う金額で始めることが重要です。
まず確認したい3つのこと
新NISAでお金を置く前に、まず確認したいことがあります。
1つ目は、生活費が何か月分あるか
毎月の生活費が20万円なら、3か月分で60万円、6か月分で120万円です。家族構成や仕事の安定度によって必要額は変わります。
2つ目は、近いうちに使う予定があるか
車の買い替え、住宅関連費、教育費、医療費など、数年以内に使う予定があるお金は、投資に回さない方が安心です。
3つ目は、何年使わずに置けるか
投資は短期間では値下がりすることがあります。少なくとも数年単位で使わないお金かどうかを考えてから始めると、無理のない判断につながります。
預金100万円以上ある人にとって、新NISAはお金をすべて投資に変える制度ではありません。預金で守るお金と、将来のために動かすお金を分けるための選択肢です。成長投資枠は便利な一方で、商品選びの自由度が高いため、焦らず少しずつ理解していくことが大切です。
投資には元本割れのリスクがあります。制度の内容や商品の特徴を確認し、生活に必要なお金を確保したうえで検討しましょう。





