預金があることは安心につながります。急な支払いに対応できるため、生活の土台として預金は欠かせません。
一方で、預金をすべてそのままにしておくことが、いつも最善とは限りません。物価が上がると、同じ金額でも買えるものが少なくなる可能性があるからです。
この記事では、預金を全部そのままにする人と、一部を新NISAの成長投資枠で動かす人の違いを、初心者にも分かりやすく整理します。
預金は「安全性」が強いお金
預金の良さは、必要なときにすぐ使えることです。銀行口座にお金があれば、生活費、公共料金、病院代、家電の買い替えなどに対応しやすくなります。
また、投資と違って日々大きく値下がりすることはありません。そのため、近いうちに使う予定があるお金や、急な出費に備えるお金は、預金で持っておくことが基本です。
ただし、預金は大きく増えることを期待するものではありません。利息がつくとしても、投資商品と比べると収益性は低くなりやすいです。
全部を預金に置く人のメリットと注意点
預金を全部そのままにする人には、分かりやすいメリットがあります。値動きに悩まされず、必要になったらすぐに使えることです。
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| すぐに使える | 大きく増えることは期待しにくい |
| 値下がりを気にしなくてよい | 物価上昇時に実質的な価値が目減りする可能性がある |
| 心理的に安心しやすい | 将来資金を増やす機会を逃すことがある |
預金だけで持つことが悪いわけではありません。特に、近い将来に使うお金は預金でよいでしょう。
ただ、10年後、20年後まで使わないお金まで同じように置いておくと、将来の選択肢を狭める可能性があります。
一部を成長投資枠で動かす人の考え方
新NISAの成長投資枠を使う人は、預金をすべて投資に回しているわけではありません。多くの場合、生活に必要なお金を確保したうえで、しばらく使わないお金の一部を運用に回します。
成長投資枠では、投資信託や上場株式などを購入できます。利益が出た場合、その運用益が非課税になる点が大きな特徴です。
ただし、投資である以上、値下がりすることもあります。そのため、一部を動かす人は「増えるかどうか」だけでなく、「下がっても続けられる金額か」を考えています。
違いは「預金を減らすか」ではなく「役割を分けるか」
預金を全部そのままにする人と、一部を成長投資枠で動かす人の違いは、リスクを取るかどうかだけではありません。
本当の違いは、お金を役割ごとに分けているかどうかです。
- すぐ使うお金は預金で残す
- 急な出費に備えるお金も預金で残す
- 当面使わないお金だけを運用候補にする
このように分けると、「預金を減らして大丈夫か」という不安が少し整理されます。
100万円以上ある人は、全額ではなく一部から考える
たとえば預金が100万円ある場合、100万円すべてを投資する必要はありません。生活費や予備費として残す金額を決めたうえで、残った一部を検討する方が現実的です。
毎月少額ずつ投資する、ボーナスの一部だけを使う、まずは投資信託で試してみるなど、始め方はいくつもあります。
大切なのは、投資した後も普段の生活に不安が出ないことです。値下がりしたときに生活費が足りなくなるような金額は、運用に向いていません。
成長投資枠を使うなら「何を買うか」より先に考えたいこと
成長投資枠を調べると、投資信託、ETF、高配当株、株主優待株など、さまざまな情報が出てきます。
しかし、最初から商品選びに入りすぎると、選択肢の多さで迷いやすくなります。先に考えたいのは、次の3つです。
- 何年くらい使わないお金なのか
- 値下がりしても続けられる金額なのか
- 一括で入れるのか、分けて入れるのか
商品選びはその後です。目的が決まっていないまま人気商品を買うと、相場が下がったときに不安になりやすくなります。
預金と投資はどちらか一方ではない
預金と投資は、どちらか一方を選ぶものではありません。預金は生活を守るために必要です。投資は、将来の資産形成を考えるための選択肢です。
預金100万円以上ある人は、まず安心のために残すお金を確保し、そのうえで使う予定のないお金をどう置くか考えるとよいでしょう。
新NISAの成長投資枠は、その選択肢のひとつです。無理に使い切る必要はありませんが、預金だけでは不安を感じる人にとって、知っておきたい制度といえます。
投資には元本割れのリスクがあります。成長投資枠を利用する場合も、商品の内容やリスクを確認し、自分の生活に合う範囲で判断しましょう。





